交流分析とパスワーキング

 私は鑑定の対話の中や自己理解のために交流分析を取り入れています。今回は交流分析について少しざっくり書こうと思います。きちんと学ぶと奥深い世界で実践も大切です。ブログで少しだけ書くようなものではないので、参考メモ程度に捉えてください。

 

 交流分析は誤解を恐れず平たく言うと、「今、自分はこんな状態だ」と自分の心の中のキャラクターを3つに分けて俯瞰して分析する方法です。アメリカの精神科医のエリック・バーンによって開発された心理療法です。これは自己理解を通じて他者理解を深めるところがあるので、占いに似ている部分があります。また、内観を通じて現実に変容を起こすところがパスワーキングにも似ています。パスワーキングは心理療法やメンタルトレーニングに名前を変えて様々に使用されていますが、これもその一端だと思っています。

 

 交流分析の目的を簡単に書くと、①固定観念に囚われている「思い込みの自分」など好ましくない自分や好ましい自分にも気づき、ありのままの自分の状態を正しく認識し、自分の内にある潜在能力に気づくこと。②ありのままの自分に気づくことで、自分の感情・思考・行動をコントロールする力を養い、自分自身の問題を他人や周囲のせいにせず、自分で責任を担える自律的な生き方を、足りないでも過剰でもなく、調和を持って行えるようになること。③対人関係において葛藤が生じても、相手の性格的な歪みや、厳しい状況からの反応であることを理解し、肯定的構えで、愛情と信頼に基づく関係性を理性によって築き、相手を受け取る器を作ること。またこれを自分自身にも応用すること。

 

 交流分析の基本となる3つの自我状態は①Parent(親)、②Adult(大人)、③Child(子供)です。またこの3つから①と③は、2つに分けられます。①のPは批判的P(Critical Parent)と保護的P(Nurturing Parent)に。③のCは自由なC(Free Child)と順応のC(Adapted Child)に分けられるので、合計5つの自我状態を見ていくことになります。

 

それぞれの自我状態を端的に書いてみると下記になります。それぞれ、思い当たる自我状態があるのではないでしょうか。

批判的CP=厳しい私  

保護的NP=優しい私

大人A=冷静な私

自由なFC=あけっぴろげな私

順応のAC=人に合わせる私

 

 エリック・バーンの弟子であるデュセイが考えたエゴグラムというものがあります。これは、それぞれの自我状態が放出していると想定される心的エネルギーの量をグラフを用いて表現したものです。命術と少し似ていて、心的エネルギーがわかります。しかし、命術とは違って、当たり前ですが、その時々でエゴグラムはグラフの形が変わります。

こちらのHPでエゴグラムが出せます。

http://ta.direct-comm.com/charactor/

 

 エゴグラムの中で一番高い部分は、なにか問題が生じた場合やストレスが生じた場合、直ちに反応する自我状態で、低いところは心のエネルギーの投入が弱く性格の中で不活発な部分です。グラフの中で極端に欠けているところがある場合、コミュニケーションで歪みとなり、その人の弱みとなっている場合もあります。また、自己変容を妨げるのは一番高い部分が一番低い部分を押さえつけている場合が多いです。自我状態を高めるためには低い部分を高める方法を意識して繰り返し行うと、自我状態のバランスがよくなります。

 

 本日は交流分析の3つの自我状態とエゴグラムの紹介について書かせていただきました。分析方法や合わせてパスワーキング、ソーシャルスタイルなどについて後日記載できればと思います。

 さて、簡単ですが今日はこの辺りで終えようと思います。

お読みいただきありがとうございました。

よい一日をお過ごしくださいませ。