伊豆山神社の思い出と結婚について

 サイトのトップページに桜の画像を掲載しておりますが、この写真は数年前の熱海旅行で、伊豆山神社に参詣した時に桜と境内を撮ったものです。伊豆山神社は源頼朝と北条政子の恋の舞台であったことから縁結びの神社として知られていますが、修験道の祖師とされる役小角が配流された際に修行したとも、空海が修行したという伝承もある孝昭天皇(紀元前5世紀から紀元前4世紀)の頃に創建されたとされる神社です。

 

 その当時、熱海は仕事で度々伺っていたのですが、数時間仕事をして帰る(日帰り)ということを繰り返していて、ほとんど観光をしていませんでした。それを何年も繰り返していて、ふとこのまま仕事に忙殺されていては、熱海どころか旅行さえ行かないのではないかと急に思い立って、以前から熱海に行きたいと言っていた母親ほど歳の離れた友人とたった一泊ですが旅行することになりました。当時勤めていた会社が、保養施設として熱海に素敵な別荘を持っていて温泉も宿泊もタダでした。今考えるともっと利用しておけば良かったと思います。

 

 熱海の観光名所は一通り巡って、一服するため喫茶店に入りました。喫茶店を営んでいらっしゃるご婦人に観光について伺うと、伊豆山神社に行きなさいとまるで予言のように言われました。来宮神社のすぐそばに宿泊していたので来宮神社に参詣して満足していたのですが、伊豆山神社行きのバスを探すとすぐ目の前に現れまして、するすると伊豆山神社の前のバス停に到着しました。見ると急な階段が続いていました。下を見ると、さらに階段が続いていて、青い海から真っ青な空に向かって階段が伸びているように見えました。階段は伊豆山浜から始まり、伊豆山神社の境内837段で終わりますが、元宮である本宮社までたどり着くにはさらにそこから山道を1時間ほど歩きますので軽い登山のようです。

 

 伊豆山神社は強運の神社として知られています。参拝が終わって神社の駐車場側に行くと真新しい赤い鳥居に「奉納 小泉今日子」の文字がありました。小泉今日子さんが人気が低迷していた時期の2010年に奉納して、2013年に「あまちゃん」で再ブレークし年末には紅白歌合戦に出演しました。その後も安定して活躍されています。前出の修験道の祖師とされる役小角も流罪となりこの地で修行しましたが、源頼朝も伊豆国に流罪の折にこの地で政子と出会いました。頼朝は源氏の再興を祈願し、その後鎌倉幕府を開きました。また、政子は親の定めた縁談を嫌い、婚礼の夜、宴席を抜け出し七里の道のりを越えて頼朝の元に身を寄せたと言います。共通していることは、逆境を乗り越えて、己の欲することを成し遂げていることです。

 

 熱海旅行は、目新しく楽しかったのですが、参拝していて、私は自分が何を欲しているか、強烈に気づかされました。私は、働くだけで一生終わりたくない。もう一人で生きて行くことも嫌だ。妻になったり母になったりもしたいと言うことでした。それから、試行錯誤して、自分にとっての結婚観を突き詰め、実行できることはできる限りして結婚しました。そこで分かったことは単純で、結婚するまでに大切なことは、自分を偽ったりせず、お互い自分らしさを好きでいてくれる人を見つけること、見極め決めたら迷わないこと。結婚すると、相手と共に生まれ変わって、夫婦と言う一個の人格を作るつもりで理解しあうことが重要だと思いました。

 

 

 逆境と言うのは、自分の欲するところが強烈に分かるチャンスだと思います。その場の悲劇的な感情に流されずに、自分の欲するところを見つけてあげてください。そして、それを叶えるにはどうすればいいのか必死に考えて、実行する。たくさんの神社をお参りしてもなかなか願いが叶わないと言う方は、自分の中にある力をまず信じて行動してみてください。