魔法と恋愛相談と螺旋の帯(転載)

 

獣帯は本当によくできている。
くるくると螺旋状に人間の成長を促す。

どこかの宮が強調される場合は、それまでの宮をどのように過ごしたかが問われる。

純粋に蠍が強調されるとどうなるだろうか。こごってしまうだろう。

占い師になる前、今より若いころは恋愛相談をよく受けていた。相談者は、自然に出会うということにこだわる人も多かった。
しかし、普通の生活をずっとして、これまで出会いがないのだから、そのやり方はその方に合わないのだろう。

別の見方をすると婚活や意識的に異性と出会うことと普通の生活で出会うことと、何が違うのだろうか。出会うということは、同じである。心の中では出会いを求めているのになぜ、それは不自然な出会いだからと嫌っていたのだろう。おそらく、生理的なものや未知のものということやプライドなどなのかもしれない。

中には婚活したことがある方もいた。婚活は性に合わないと言っていた。インターネットという手もありますよ。というとそれも性質に合わないという。会ってみて合わない人も多いでしょうけれど、何人くらい会われましたかというと片手ほどだった。その人数で、結婚相手が決まると思っていたのだろうか。数人で決まることもあるとは思うがまれではないだろうか。

婚活は、相手が決められなくなって、延々と婚活地獄に陥る方もいるけれど、その手前で止まっている。

自分は好みがうるさいからと言われた。数百人くらいプロフィールをみて、合いそうな方にアプローチしていけばと言うと、そんな面倒くさいことは嫌だと言っていた。

恋人を作るにしても同じで、恋愛対象がいそうな場所に行き、たくさんの人に出会えば自ずと恋人もできる。もしあなたが結婚したくて、異性を求めているのだったらたくさんの異性になるべく会うことをお勧めする。その内に、自分も気に入り、相手も気に入る人に出会うだろう。

婚活を厭う人に、では婚活がいやなら、なるべく異性がいるところに行くようにと勧めると、あくまで普通にしていて出会いたいと言われた。もちろんそのままでもいいですよ。それは貴女の自由ですよ。というと不満そうだった。

これまでやってきて、上手くいかないことはどこかで新しい要素をいれたり、違うことをしないと、これまでと変わらない。おそらく、それは本人も分かっていて相談している。だが、自分が変わることが、本心ではいやなのだ。だから、変わりようがないのである。そして、本心ではその人たちは自分に不満を抱いていた。

何度も天体はそれぞれのスピードでサインをなぞり、少しずつ私たちに気付きや成長を促す機会が与えられる。
それは螺旋状にくるくると少しずつ立ち上っていく永久機械のように見える。

ただ、一つ前の学びを乗り越えられず、同じところでくるくるとさまよい続けることがある。
自動的に美しく螺旋を描きながら立ち上っていくわけではない。

私は個人天体にトランスサタニアンとのハードアスペクトが多い。それだけが原因ではないが、頑固で苦労を背負い込むようなことが多かった。

しかし、同じような経験を重ねるうちに、どうしたら自分の求めている方向に向かえるかを考え、実行するようになった。それを繰り返すうちに、少しずつ課題を乗り越えてきたように思う。

私のアストロマップは東京の近くに天王星と冥王星のラインがある。確かに、極端さもあるが、生きている実感もある。木星のラインがある実家にいるときより、ずっと幸せである。

ネイタルでこの二つの天体は、私のライツとハードアスペクトで、実家で暮らしているときは生きていくことに圧迫感があった。東京に住んで、それが急にとれたのを感じた。まるで、相殺されたようだった。

苦しんでいるときは、占いに頼ったりしたこともあったが、よくないことばかり言われ、暗澹たる気持ちになった。しかも見当外れだった。なぜそう言われたのかを調べるうちに占いが出来るようになっていた。私が占い師になったのは、この時の私のような気持ちを、他の人に味わって欲しくないという気持ちもある。

占いは、適職や相応しい結婚相手、今生の使命や自分自身や相手について深く知ったり、なにかしらのタイミングをみたり、多様に使える人生の羅針盤ではある。アドバイスされて人生が変わる人もいるけれど、舵取りして航海するのは自分一人である。

占い師やアドバイザーは話を聞いたり、提案は出来るけれど、人生を変える魔法をかけることが出来るのは、その人が本気で決意をしたそのことのみなのだと感じる。