少年と水星

出生図は、その人も知らない潜在的可能性を示しています。

鑑定時、アスペクトが急に輝いて見えたりすることがあります。

出生図が本人に何か伝えたくて、うずうずしているようにも見えます。

その方自身もそれが知りたくてきっとここにお見えになったのではないかと思い、それを話すと、大きく頷かれたりなさいます。

若ければ若いほど、自分の星を扱い慣れておらず、なかなか通じないことも多いのかもしれません。

ただ自分で自覚できないだけで、素直に出ている場合も多いです。

出生図は、自分や周りに研磨され、輝き出します。

 

私も含めて、私の周りには生まれた時の太陽が3ハウスにある人物が多く、3ハウスの意味を考えさせられる機会があります。

人とコミュニケーションをとったり教えたりする仕事を皆していて、いつも本を読んだり、文章を書いたりしています。

ハウスのナチュラル・ルーラーである水星をどんどん鍛えてプロ化しています。

ホラリー占星術で考えると、3ハウスはルーチンも指します。

定期的に行き来する場所や人や物、メールやブログなども3ハウスです。

繰り返すことで、強度や深度、柔軟性や幅広さを増していくことができるとも思います。

 

私は、自分の3ハウスの太陽にずっと違和感がありました。

他のアスペクトも関係していますが、太陽と木星の合で、太陽が怠けて、ずっとぼんやりしていたようにも思います。

木星も太陽も意識的に使わないとなかなか本来の能力を発揮しないと感じています。

固定宮に惑星が多いためか、自分から発信することが苦手で、現在ブログを書いているのが不思議でなりません。

しかし、書いています。そして、最近はありがたいことにブログを読まれて、鑑定にお越しになるお客様もいらっしゃいます。

少しずつ、この太陽と木星の意味がわかってきたような気がします。

 

水星といえば、ヘルメース。

ご存知とは思いますが、ヘルメスは代表的なトリックスター。彼は面白い。

朝に生まれて、昼にはゆりかごを抜け出し、赤ちゃんなのに、アポロンの牛50頭を盗み、隠蔽工作をして、ゼウスの前に引き出されてもしれっと嘘をつきます。

そして、自分で拵えた竪琴を奏でて、竪琴を気に入ったアポロンが、竪琴と牛を交換して欲しいと交渉してきて、アポロンとも仲直りします。

とっても、ちゃっかりしていますね。

 

水星に関係するサインやアスペクトが強調されている場合、軽やかな決断や行動が人生を好転させます。

ヘルメルスは若いままです。人の思考パターンや行動様式は、少年少女の頃に出来上がってくるように思います。

基本的なパターンがあり無意識にそれを何度もなぞりながら大人になります。

仕事柄、老人と接する機会が多かったのですが、少年期に没頭したことに、結局人は帰っていくような気がします。

少年期の没頭こそがその人を形作る水星なのではないかと思います。