『占星術の鏡』

私が占星術を知る以前、一人暮らしをはじめて間もない頃、表紙が気に入って購入した本にマックス・ジャコブが著した『占星術の鏡』があった。

 

その時は、マックス・ジャコブが前述のピカソやシュルレアリストと親交があって、彼自身もシュルレアリストであり、彼がユダヤ人の収容所で亡くなったことや、当時の貴婦人を相手に占いをしていたことも、私と誕生日が近いことも知らなかったが、小浜俊郎氏の翻訳に詩的な面白さを感じ、意味が分からなくてもなんとなく読んでいたことを覚えている。

本を整理していたら出てきたので、久しぶりに読んでみた。

 

この本の海王星の項目にこう書いてあり、なるほどと思った。

 

「海王星の影響は、広い教養を所有し精神がきわめて発達した信心深い人たちにおいてのみ、計測しうる。[だが]粗野な精神にも[影響を与え]、彼らが優れた手腕をふるう『陰謀』や秘密への、またときおりマキャヴェリ風な計画や二枚舌への傾向を所有させる。」

 

マックス・ジャコブの皮肉はこの本のいたるところにあらわれていて、どのアナロジーを読んでも皮肉がない項目はない。特に女性についてはその神経症的なところを誇張しているようにも読める。

 

うお座のルーラーはもともと木星であり、木星についても「広い教養」と「精神がきわめて発達」することによってその恩恵を受けやすくなる。

 

このような傾向は、どの惑星でも大なり小なりあり、自分の精神をどのように育てたのか、どのように生きてきたかによって、よい惑星だからいいわけでも、よいアスペクトだからいいわけでもなく影響してくる。

 

そして、克服できなければ何度も同じような状況があらわれ、レッスンを繰り返す。

例えば恋愛において、同じような恋愛をし、同じような問題でつまずく場合。

同じような問題を持っている人ばかり好きになるか、自身に問題があるのだと思います。

その場合は、自分がどのように生きたいのか、自分で考え冷静に行動する訓練を積むと次第に人生が変わりはじめます。